本屋さんでも、図書館でも、やたらと子供たちが手にとっている絵本があります。
シリーズで何冊も出ている人気作品。
そんなにおもしろいのかな?と読んでみると、長女がドハマり。
100までの数字が数えられるようになると話題のシリーズをご紹介します。
ちか100かいだてのいえ
カタカナ | あり(ルビなし) |
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漢字 | なし |
ページ数 | 32ページ |
本のサイズ | A4くらい |
おすすめ月齢 | 3歳 |
ISBNコード:9784033316604
どんな本?
お風呂に入っていると、どこからか声が聞こえてきた女の子。
「パーティーがあるから絶対に来てね!」
その声の通り火山のふもとに向かうと、穴に落ちて地面の下へと滑っていってしまいます。
穴のなかにはびっくり!色んな生き物たちが生活していました。
そこは土の中の100かいだての家だったのです。
1~10階は、うさぎさんのおうち。
畑で野菜を作ったり、お風呂に入ったり、算数のお勉強をしたり、ベッドで寝ていたり…
1フロアごとに、色々なことをしながらうさぎさんが生活しています。
11~20階は、アライグマさんのおうち。
泥だらけで遊んで、お母さんはお洋服を洗って、子供たちはお風呂で汚れを落として…
とにかく洗うのが大好きみたい。
こんな風に、生き物たちが生活する地下の建物の中をどんどん下へ下へとおりていくお話。
パーティー会場の100階まで向かいます。
不思議な声の正体は一体誰?
女の子はパーティーに参加できたのでしょうか。
デザインも形も、それぞれの過ごし方も全く違う100のお部屋。
細かい部分まで描きこまれた絵に子供たちは夢中です。
この絵本は作者の岩井さんが、お子様が小学校で数を数えたり繰り上がったりすることにつまづいているのを見て作った絵本。
1~100まで数字もふってあり、100まで数えられるようになったという声が多いのも納得です。
地下がテーマなので各フロア「B1、B2…」と「B」がついています。
地上とは違う表示の仕方や、上に向かって100ではなく下に向かって100という概念が自然に理解できる仕組み。
縦に開く斬新なスタイルの絵本で、子供受けバツグンの1冊です。
感想
どの巻も図書館で多数の予約待ち、子供たちに大人気の絵本です。
ただこの絵本、読み聞かせには向きません。
作者の岩井さんも「この絵本は読み聞かせを想定していなかった」とおっしゃっていますが、この作品は細かいイラストをじっくり楽しみながら読み進める絵本。
もちろん文章はありますが少ないので、基本的にはイラストから状況を読み取るようになります。
読み手の文章より、見ている子供たちの方がずっと時間がかかるのでなかなか進みません。
この絵本は「一人遊び向けの絵本」として作られたそうなので、読み聞かせではなく子供がペラペラめくって自由に楽しむ方が親御さんのストレスなく楽しめるかもしれません。
幼稚園児の娘は暇さえあれば一人で絵本をひらいて迷路のようにB100階まで指でたどったり、これは何してるところだろうと考えたり、とにかくいくら眺めても飽きないようでずっとこの絵本を開いています。
そして今回の作品は地下ということで「B」がつくのですが、「Bって何のB?」という話になり、英語の"basement"や地上の時につく「F」は"floor"から来ていることまで学ぶことができました。
読むのに時間はかかりますが、細かい描きこみから「これって何?」という疑問がたくさん出て好奇心をくすぐる絵本だと思います。
子供人気とは知っていましたが、本当に子供の心を掴む絵本なのだと娘を見て実感しています。