季節が変わり、コートのいらない日も増えてきた頃。
春の絵本を色々と読み始めました。
今回は、暖かい春の空気を感じる1冊を紹介します。
珍しいアルミ板カッティングで描かれたイラストは必見です。
おねぼうさんは だあれ?
カタカナ | あり(ルビなし) |
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漢字 | なし |
ページ数 | 32ページ |
本のサイズ | A4くらい |
おすすめ月齢 | 3歳 |
ISBNコード:9784052048746
どんな本?
森に春がきました。
うさぎのミミナちゃんは、冬ごもりからなかなか起きないお友達を起こしに行きます。
まずは大きな扉のくまくんの家。
ノックをしても返事はなく、入ってみるとくまくんはまだ眠っています。
「春になったよ。一緒に遊ぼう。」
ミミナちゃんはそういうと、シロツメクサの花束を枕元に置いて家を出ました。
次に行ったのは、ヤマネくんの家。
「春になったよ。一緒に遊ぼう。」
声をかけても起きないヤマネくんのそばにも、スミレの花束を置いていきました。
冬眠中の動物たちの家をまわり、春を知らせるミミナちゃん。
それぞれに春を感じるお花をプレゼントして家を出ます。
結局誰も起きてこず、いつもみんなで遊ぶ野原で一休みするミミナちゃん。
ぽかぽか暖かいお日様に照らされて、ついウトウト…
みんなは起きてくるのでしょうか。
作者の片山さんは、イラストを担当するあずみ虫さんがラフ第1稿を描き構成などがほぼ完成というところで逝去されました。
あずみ虫さんはアラスカの森にまで取材に行き、その後絵を完成させますが片山さんの求める春の森が描けていないと感じほとんどの絵を描きなおしたそう。
春の生き生きとした森の空気を感じる、穏やかな絵本です。
感想
あずみ虫さんの作品は夏に読んだ『おまつり』で大好きになりました。
アルミ板をカットして描かれた作品と聞くと、なんとなくとげとげしいものを想像していたのですが全くそんなことはなく。
今回の絵本も可愛らしく、春らしく、構図もダイナミックでアルミ板とは思えない世界が広がっています。
アルミ板に描かれているので少し影ができ、絵に奥行を感じられるところがとても素敵です。
作品の中に冬眠する動物が4匹と、春の花が4種類登場します。
5歳娘はこの絵本で冬眠する動物を覚えることができました。
豊かな森に訪れた春、動物たちはどんな風に起きてくるのか。
友達の絆を感じる優しいお話なので、春の読み聞かせにおすすめです。