我が家で絵本を読むときに意識しているのが、季節感。
今年は年末年始の絵本もたくさん探して読んでいます。
今回ご紹介するのは、福音館書店から発行された雰囲気のある1冊。
大晦日のメインイベント「除夜の鐘」がテーマのお話です。
じょやのかね
カタカナ | あり(ルビなし) |
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漢字 | なし |
ページ数 | 32ページ |
本のサイズ | A4くらい |
おすすめ月齢 | 4歳 |
ISBNコード:9784834083699
どんな本?
今日は大晦日。
家族で年越しそばを食べた男の子が、頑なに寝ようとしません。
もしちゃんと起きていられたら、パパが除夜の鐘を撞くのにつれて行ってくれるという約束があるからです。
「そろそろ行くか」
ついに声がかかり、出かける男の子とパパ。
男の子の初めての除夜の鐘撞きが始まります。
お寺まで歩く人気のない夜道、たくさんの人が並ぶお寺の門、並びながら飲む温かい甘酒…
版画で描かれた白黒の絵本から、男の子の緊張感、高揚感が伝わります。
年が変わる瞬間や鐘を撞く特別感は、大人以上に子供にとって感じるものがあるはず。
帰り道に見せる男の子の背中が、どこか逞しく大人びて見えるような作品です。
感想
この絵本は、イギリスから帰国した作者が子供時代に何度も詣でたお寺を再訪して着想したそう。
日本の良さ、日本らしさが伝わりとても心落ち着く作品でした。
表紙もそうですが、こちら全て版画で描かれているのでモノトーン。
甘酒から立ち上る湯気や暗い中並ぶ人々の姿など、大晦日の夜の雰囲気にとても合っているように感じます。
カラフルではないので子供ウケはどうかなと思いましたが、大晦日の特別な感じが伝わるようで5歳娘は興味津々。
まだ年越しまで起きていることすらできない年齢ですが、これからこの男の子のように成長して一緒に夜更かしして年越しできるのが待ち遠しいです。
鐘を撞くだけでなく、お賽銭を入れたり、おみくじを引いたり、香炉の煙を頭にかけたりとお寺でできることがたくさん登場する絵本。
大晦日を、ぜひ版画で楽しんでみてくださいね。