自分の子供が「無理してるなぁ」と感じたこと、ありますか?
本当は行きたくないけど…
本当は痛いけど…
強がったり、気を遣ったりして本心を言えない子供の姿、私はたまに目にすることがあります。
今回読んだのは、そんなパパと子供のお話。
子供が自分の気持ちを伝えることのすばらしさを感じられる絵本です。
つりはもういいんだけどな、パパ!
カタカナ | あり(ルビなし) |
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漢字 | なし |
ページ数 | 29ページ |
本のサイズ | B6くらい |
おすすめ月齢 | 3歳 |
ISBNコード:9784582833379
どんな本?
釣りが大好きなカエルの親子。
毎日、2人並んで釣りをします。
でも最近、モモ(子供)の様子がおかしい…。
その変化に気付いたパパが声をかけると、モモは泣きながら話してくれました。
パパが大好きだからこそ、本心を言い出せずにいたモモ。
小さくても、子供だって大人と同じように気を遣ったり、我慢したり、頑張っているんだなと気付かされる絵本です。
そしてこの絵本、ただの感動ストーリーではなく、最後にちゃんとオチがあります。
心に響いて、気持ちよく読み終わることができるお話です。
感想
フランスで生まれた絵本と知り、なんだか納得しました。
太めの鉛筆で描かれた絵に水彩画の淡い色付けで、とてもふんわりとした穏やかなイラスト。
添えられた少な目の文章と合わさって、とても良い雰囲気を感じました。
タイトルからわかるように、実はモモは釣りより楽しいことを見つけてしまい釣りに行くのが嫌になっているのです。
でも、毎日楽しみにしているパパを見ると、なかなか言い出せなくて…
子供なのに、子供だからこそ、親の無言のプレッシャーを感じてしまうんだなとハッとしました。
そして、相手を思いやる優しさが益々本当の気持ちに蓋をしてしまうんですね。
そんなとき、このパパのようにちょっとした変化に気付き、「どうしたの?」とこちらから声をかけてあげたいなと思いました。
実はこの絵本を読んでから、娘にお勉強のことを聞いてみました。
毎日決まってやるルーティンワークがあるのですが、「嫌」と言ったことはなくて。
でも最近、どうも集中力がないなぁと思っていたのです。
「本当は、ちょっと嫌になってる?」
と聞くと、はにかみながら「…うん。でへへへ。」と恥ずかしそうに笑いました。
「やっぱりね、なーんか最近そんな気がしてたよ!じゃあちょっとお休みしよっか。」と提案すると、娘もスッキリしたようでした。
文章量もイラストの雰囲気も、とても読みやすい絵本です。
最後のオチには文章がないのですが、イラストを見れば意味がわかるはず。
お子様が本当の気持ちを言い出すきっかけ作りにおすすめの、素敵な1冊です。