みなさんは、お子様に昔話を読んでいますか?
ごんぎつね、おむすびころりん、うらしまたろうなど…
絵本を年間1800冊以上読む我が家ですが、昔話をあまり読んでいないことに気付き最近取り入れるようになりました。
昔話は言葉が難しかったり、イラストがリアルすぎたりと子供の興味を引くのが難しいイメージですが、大切な教訓を学べるものばかり。
今回は、キツネが珍しく騙されるお話『しっぽのつり』をご紹介します。
しっぽのつり
カタカナ | あり(ルビなし) |
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漢字 | あり(ルビあり) |
ページ数 | 32ページ |
本のサイズ | B5くらい |
おすすめ月齢 | 5歳 |
ISBNコード:9784593562053
どんな本?
むかしむかし、ある山にきつねと、ふもとの川にかわうそが住んでいました。
ある日、餌を探してウロウロするきつねがかわうそを見かけると手にはおいしそうな魚が。
「かわうそどん、お互いの家を行き来して、交互にごちそうし合わない?」
とっさに嘘を言って、かわうその魚をたっぷりごちそうになったきつね。
次の日、かわうそがやってきました。
「きつねどん、今日は私の番だね。何をごちそうしてくれるの?」
ところが、きつねはあーでもない、こーでもないと理由をつけてかわうそを追い返します。
次の日も、その次の日もきつねは嘘ばかり…。
そしてある日、かわうそのところに来てこう言います。
「かわうそどん、君にごちそうしたいんだけど、餌が見つからないんだ。だから魚の採り方を教えてくれない?そしたらごちそうするからさ。」
そしてかわうそは、魚の採り方を教えてあげます。
でもこれ、実はかわうその嘘。
さんざん騙されたきつねに、自分の食糧まで採られそうになったかわうそが機転を利かせたのです。
このあと、きつねはどんな仕返しに合うのでしょうか?
本文は、↑のような話し言葉ではなく
「おら とこで(私の所で)」
「ごっつぉう(ごちそう)」
「はらこ ぱんぱん(おなかいっぱい)」
など、結構訛りがあります。
落ち着いた色味で昔話らしさを感じるイラスト、そして特徴ある言葉遣いで普段の絵本と雰囲気を変えて楽しめる1冊です。
感想
昔話や民話って、色んな出版社から色んな種類が出ていますよね。
今回読んだお話も本によってはちょっとした違いがあるのですが、こちらの絵本はきつねがそうなるのも仕方ないよね、と思えるストーリー展開でした。
訛りがところどころ出てくるので読むのが少し難しかったですが、こういう昔話らしい絵本にも触れてほしかったのでちょうどよかったです。
1度読んだだけで、幼稚園児の娘が「どうしてキツネがそんな目に合うのか」を理解できたのでお話自体はシンプルだと思います。
仕返しにあったきつねのシーン、「えーん。えーん。」ではなく「グエーン!グエーン!」と泣くのがちょっと痛々しいなと感じましたが、最後はあっさり終わるので何ともちょうど良い。
変に穏やかにしすぎず、かと言ってリアルで後味が悪すぎるというわけでもなく。
タイトル通りの展開を迎える絵本ですが、そこに至るまでの原因を読みながら「人にされたら嫌なこと、人にしたらいけないこと」を学べるお話だと思いました。