ドクター・スース賞。
正式名称はセオドア・スース・ガイゼル賞(Theodor Seuss Geisel Award)と言い、アメリカのすぐれた児童書に贈られる児童文学賞の1つです。
今回は、そんなドクター・スース賞でオナー賞を獲得した絵本をご紹介します。
ボールが大好きな犬のお話です。
BALL
カタカナ | ー |
---|---|
漢字 | ー |
ページ数 | 32ページ |
本のサイズ | B6くらい |
おすすめ月齢 | 2歳 |
ISBNコード:9780544313613
どんな本?
2014年セオドア・スース・ガイゼル賞オナー賞受賞作品。
ボールが大好きな犬と、ボールのお話です。
ベッドで女の子と眠る犬、寝る時も大好きなボールを咥えています。
朝目が覚めると、すぐに女の子にボールを投げてとせがむ犬。
そして女の子もボールを投げて遊びはじめます。
でも、女の子はボールを投げながらも着替えをし、学校へ出かけてしまいます。
もっともっと遊びたかった犬は、ボールを咥えて呆然。
ヨガをするママのところに行ってみたり…
赤ちゃんのところに行ってみたり…
誰もボールを投げてくれません。
そのうちに眠ってしまう犬、ついにはボールの夢をみて…
朝から晩まで、ボールのことばかり考えている犬の必死さが伝わるコマ割り絵本。
大き目のコマなので子供でもわかりやすく、出てくる英語は"ball"だけです。
犬を飼う人はもちろん、飼わない人にも伝わるボールへの情熱。
ラストの嬉しそうな姿は必見です。
感想
ポップなイラストで、子供が気に入っている絵本です。
何と言ってもこの作品、出てくる英語が"ball"だけ。
犬も女の子も、"ball"としかセリフがありません。
でもきちんとストーリーがあり、情景も伝わってきます。
その理由は恐らくキャラクターの表情。
犬も、女の子も、本当に生き生きとした顔をしているのでその時の気持ちがすぐにわかります。
幼稚園児の娘に"ball"と言いながらがっかりする場面の犬を見せて、「何でこんな顔してると思う?」と聞くと「もっと遊びたかったから!」と即答。
女の子が学校へ行ってしまうところなども、文章は一切なく全てイラストから読み取るようになります。
最初から最後まで、イラストを見ながら状況を想像する力がつく絵本だなと思いました。
ストーリーはわかりやすいですし、英語もballだけなので小さなお子様にもおすすめの1冊。
今のところ(2021年7月)日本語訳はされていない作品ですが、英語でも問題なく楽しめると思うのでぜひ表情豊かな犬とボールの1日を楽しんでみて下さいね。