表紙を見て、優しいイラストに一目ぼれ。
うさぎの男の子と、優しい女の子の心温まるお話でした。
ちょっぴりセンチメンタルで情緒的。
優しい気持ちに触れられる絵本をご紹介します。
うさぎくんとはるちゃん
カタカナ | あり(ルビなし) |
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漢字 | なし |
ページ数 | 32ページ |
本のサイズ | A4くらい |
おすすめ月齢 | 3歳 |
ISBNコード:9784265070411
どんな本?
訳あって、はるちゃんのおうちにお泊りすることになったうさぎくん。
でも、はるちゃんのおうちに行くのは初めてです。
初めての赤い電車に乗り、こわい顔のバスに乗り、大好きなワニくんのぬいぐるみを抱きしめて…
おうちについても、うさぎくんは顔をふせたまま。
夜寝る時も、そっぽを向いたまま。
朝も見つからないようにそーっと降りてきて。
大好きなワニくんをぎゅっと抱きしめて呟きます。
「お母さん、具合はどうかな。」
そう、うさぎくんのお母さんは具合が悪くなってしまい、うさぎくんははるちゃんのおうちで預かってもらうことになったのです。
ずっと心を開かないうさぎくん、このあと大事なワニくんに悲劇が…
でも、明るく優しいはるちゃんの行動がうさぎくんの気持ちを変えていきます。
絵を描いたおかだちあきさんは特に「子供の繊細な表情」を大切にしているそうですが、ページから空気感まで伝わるようなイラストが魅力。
何の文章もないページのイラストだけで涙が出てくる、それくらい繊細で気持ちの伝わる絵本です。
感想
イラストの繊細な雰囲気からか、全体的に切ない印象を受ける絵本ですがバッドエンドではありません。
おかださんのイラスト目当てで読む方が多いようですが、静かで優しいイラストが本当に素敵です。
年中の娘に感想を聞いてみると、「ここが悲しかった…」とワニくんに起こった悲劇のページを指差しましたが、絵本自体は嫌いではないようで一人読みで何度も読んでいます。
音読する時も、悲しい部分はちゃんと切なそうに。明るいはるちゃんのセリフは元気に。と読めていてお話の空気感が伝わっているんだなぁと感じます。
ただ、最後うさぎくんはお気に入りのワニくんにあることをするのですがそれが少し不思議でした。
絵本の最初からずっと抱きしめているくらい大切なもの、だからこそ…なのでしょうか。
ワニくんは不安な気持ちを支える存在だと思ったので、そうだとすると最後のうさぎくんの姿からはたくましさを感じます。
静かな絵から「空気感を感じる」作品です。