青い画面にパッと目をひく赤い魚。
遠くからでもはっきりわかる、読み聞かせに人気の作品があります。
愛にあふれたお話。
おはなしが大好きな魚の絵本をご紹介します。
フィアボ おはなしのすきな まっかなさかな
カタカナ | あり(ルビなし) |
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漢字 | なし |
ページ数 | 36ページ |
本のサイズ | A4くらい |
おすすめ月齢 | 4歳 |
ISBNコード:9784591099780
どんな本?
お話をするのが大好きな、真っ赤なおさかなフィアボ。
フィアボの声はまるで音楽のように心地よく、お話を聞く子供達は気付けば眠ってしまいます。
くーくー…
すーすー…。
魚のお母さんたちは、子供を寝かしつけてくれるフィアボにお礼を言います。
でも、フィアボは「なんの」と一言いうとすぐに隠れてしまいます。
そして一人の場所で、のんびりと明日のお話を考えるのです。
フィアボは1人の時間が好きでした。
しかしある日、輝くような黄色い魚に出会います。
そこからフィアボの世界は一気に変わっていくのです。
作者のマイケル・グレイニエツさんは、ポーランド生まれ。
ヨーロッパでイラストレーターとして活躍し、その後アメリカに移住しますが現在は日本で絵本を作っています。
「みんなで仲良く」というように教訓がこめられている絵本は、結局どれも似通ってしまいそれが嫌だったという作者。
自分の頭におりてきたアイデアを、ただ子供達に伝わるように絵本を作っています。
本作も、遠目でもわかる鮮やかな色彩で描かれたイラスト。
読んだあとになんだか心が温かくなると人気の絵本です。
感想
実はこの作品、表紙に秘密があります。
画像だとわかりませんが、実際はカバーが青一色。
魚の形部分はくりぬかれており、表紙の赤色がのぞく仕組みになっているのです。
そんなしかけも娘の心を掴んだようで、こちらは娘が選んだ作品。
「絵が綺麗だったから」とのこと。
青い海の中が舞台なので、赤や黄色の魚がよく映えます。
個人的には、手元で見るより少し遠目で見る方が画面全体の色彩が伝わるのでおすすめです。
1人ぼっちだったフィアボが黄色い魚に出会い、恋をして、卵を育て…というシンプルなお話ですが、この作品の特徴はフィアボが口内保育をする魚だということ。
魚の中には、外敵から卵を守るために口の中で育てるものがいます。(マウスブルーダーと言うそうです。)
まだ知らない子供達も多いと思うので、この作品で発見があるかもしれません。
4歳の娘もそういった魚を知らなかったので、「本当にこういう魚がいるのよ」と伝えながら読みました。
お話が好きなフィアボは、最後とても幸せそうな表情でまた子供たちにお話をしています。
自分の幸せを見つけた姿、読み終わってこちらまで幸せな気持ちになる素敵なお話でした。