全国の書店の児童書担当者3000人に実施したアンケートから、最も支持された絵本を決定するMOE絵本屋さん大賞。
2017年に選ばれた作品の中で、見事1位に輝いたのが今回紹介する作品です。
海外で英語版も発売されるほど人気なんですよ。
なつみはなんにでもなれる
カタカナ | あり(ルビなし) |
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漢字 | なし |
ページ数 | 48ページ |
本のサイズ | B6くらい |
おすすめ月齢 | 3歳 |
ISBNコード:9784569786063
どんな本?
お風呂から上がり、寝る前の準備をしていたなつみとお母さん。
突然、なつみが思いつきます。
おかーさん おかーさん!
すごくいいことおもいついたよ!
なつみがなにかのマネをして、それをおかあさんがあてるゲームだよ!
洗濯を畳んでいたお母さんは「えぇ~…もうすぐ寝る時間なんですけど…」
とあまり乗り気ではないまま、ゲームは始まってしまいました。
第一問、なつみは頭にみかんを乗せてハニワみたいに変なポーズ。
なにそれ…?
第二問、寝転がって手を頭の上に屋根のようにして足をのばすなつみ。
なにそれ…?
次から次へとポーズを作るなつみ、お母さんも一生懸命答えますが全く当たりません。
子供の自由な発想と、それがなかなか大人に伝わらない葛藤を描いた絵本は親世代から「あるある!」と共感の嵐。
子供が子供らしく、お母さんはお母さんらしく(早く寝なさいよ…という空気を醸し出しながら)やりとりする様子、飾らないリアルな親子を感じてほっこりできる絵本です。
感想
最初から最後まで、なつみのレパートリーの豊富さがすごい。
5歳娘はこの絵本が楽しかったらしく、読んで早速マネをしました。
「じゃあこれは?」
「これは?」
と次々ポーズを決める姿、完全になつみです。
お話の中でたくさんのポーズをとるなつみですが、最後までお母さんは当てることができないまま終わります。
作者のヨシタケさんは、あえて最後まで当てられないという絵本にしたかったそう。
そこには、子供と大人のわかりあえない部分を楽しんでほしいという願いがこめられています。
お母さんも一生懸命それらしいものを言うのですが、当たらない。
子供のポーズや絵など、子供が自信満々で披露してくれるものがなんだかわからない…
子育て中に同じような経験をしているパパママは多く、とても共感できる作品だと思います。
英語版も出ているので、ぜひ読み比べも楽しんでみてくださいね。