食べ物絵本を探している時に、ちょっぴり変わった雰囲気の表紙を見つけました。
おいしそうなお菓子や食べ物の絵本は見たことがありますが、包丁やお鍋が並んでいるのは初めて。
今回は、そんな独特の世界観あるお料理絵本をご紹介します。
調理器具や料理について学べる1冊です。
ほうちょうさんききいっぱつ
カタカナ | あり(ルビなし) |
---|---|
漢字 | なし |
ページ数 | 28ページ |
本のサイズ | A4くらい |
おすすめ月齢 | 4歳 |
ISBNコード:9784774621104
どんな本?
ここは、キッチンの戸棚の中。
菜箸兄弟、お鍋さん、しゃもじさんなど、色んな調理器具がじっとしています。
というのも、もう2日も使ってもらえていないそう。
キッチンでは、調理器具のいらないカップ麺やレトルトカレーたちが大活躍しています。
それを見ていたほうちょうさん。
「もう我慢ならねぇ!!!」
とカップ麺たちに飛びかかっていきました。
大揉めのキッチン…このあと一体どうなってしまうのでしょうか?
べらんめえ口調のほうちょうさんや、みんなを見守るまないたの親分などが話すセリフはまるで時代劇のよう。
いつもと違う口調に、子供たちも夢中になってしまう食育絵本です。
感想
包丁やまな板がメインの絵本は珍しいなと思って読みました。
ピンクやりぼんが大好きな幼稚園児娘も、そういった要素は一切ないのになぜかこの絵本が大好き。
やはりいつもと違うべらんめえ口調がおもしろいようです。
「あっしのこのほうちょうさばきで」
「そこまでじゃー!」
「あっしら料理ができねえんだ…」
など、読んでいるこちらも時代劇のようにセリフに力が入ります。
そして、まな板の親分のセリフが温かみがありとても良いのです。
「包丁さん、あんたは喧嘩の道具なのかい?」
それを聞いたほうちょうさんはまな板の親分に抱きしめられて涙を流すほど。
ユーモアあふれる絵本ですが、なんとなく哀愁感漂うのはこういった時代劇や刑事ドラマのような「泣き」のシーンからかなと思います。
でも、最後はハッピーエンド。
カップ麺やレトルトカレーたちも実は事情があり、悪者というわけでもないのです。
それぞれにそれぞれの良さがあると教えてくれる食育絵本。
べらんめえ口調なので音読はしてほしくないなぁと思いながらも、一生懸命読んでいる娘が可愛くて普段の言葉遣いに出ないようそっと見守っています。