1981年に発行されて以来、今も絵本の定番となっている作品があります。
子供も「幼稚園でも読んだ!」とお気に入り。
他の人のことを考える、子供たちに思いやりが生まれる絵本をご紹介します。
どうぞのいす
カタカナ | なし |
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漢字 | なし |
ページ数 | 32ページ |
本のサイズ | A4くらい |
おすすめ月齢 | 3歳 |
ISBNコード:9784893252500
どんな本?
うさぎさんが作った、小さないす。
「どうぞのいす」と名付けて、とある木の近くに置きました。
そこにやって来たのは、ろばさん。
カゴいっぱいのどんぐりを拾って帰るところでしたが、疲れていたのもあり、いすの上にカゴを乗せて木に寄りかかって一休み…そのまま眠ってしまいます。
そこへやってきたのは、くまさん。
「どうぞのいす」と書かれた看板と、いすの上にはカゴいっぱいのどんぐり。
「それでは遠慮なく…」とどんぐりを全部食べてしまいますが、何もなくては次の人にお気の毒。
自分が持っていたはちみつの瓶を、代わりにカゴの中に入れて帰りました。
そこへやってきたのは、きつねさん。
「どうぞのいす」と書かれた看板と、いすの上にはおいしそうなはちみつ。
「それでは遠慮なく…」とはちみつを全部舐めてしまいますが、何もなくては次の人にお気の毒。
自分が持っていたパンをカゴの中に入れて帰ります。
こんな風に、どうぞのいすを見た動物たちはそれぞれ次の誰かへ思いをめぐらせて立ち去っていくのです。
くうくうとお昼寝しているろばさん、起きたら…びっくり!
カゴいっぱいのどんぐりは、一体どうなっていたのでしょうか?
自分のことだけでなく、次の人のことを考える動物たちの姿から「思いやり」を学べる絵本。
イラストもお話も、優しくほっこりする人気作です。
感想
幼稚園や保育園でも定番の作品。
「どうぞ」という言葉がテーマになっています。
いすを作ったうさぎさんは、一体どんな気持ちで「どうぞのいす」と名付けたのかなぁと考えてしまいます。
「ご自由にお座りください」という意味なのか、こうして動物たちが誰かに贈り物をするために作ったのか…
前者だとしたら、他の動物たちと同じでまさか自分の「どうぞ」の気持ちが形を変えて巡っているなんて思っていないんだろうなぁと思います。
娘は何回も読んでいますが、最初は「後の人に悪いなぁ」という意味で使われる「おきのどく」という言葉がわからず、しっくりこないようでした。
ただ、何度も動物たちの思いやりが繰り返されるので読んでいればニュアンスは伝わるはず。
他者を思いやる、というのは子供の大きな成長です。
どうぞの気持ちを忘れず優しい子に育ってほしいという、全ての親御さん共通の願いを叶えてくれる絵本だと思いました。