絵本と言うと、子供が読むもの。可愛らしいもの。簡単なもの。
というイメージがありますが、本当にそうでしょうか?
大人の思う「コドモらしさ」にならない世界観。
本当の金太郎を知ることができる絵本をご紹介します。
金太郎
カタカナ | なし(冒頭・巻末の解説のみカタカナあり/ルビなし) |
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漢字 | あり(ルビあり) |
ページ数 | 43ページ |
本のサイズ | A4くらい |
おすすめ月齢 | 6歳 |
ISBNコード:9784061482593
どんな本?
昔、足柄山に金太郎という子供がいました。
森でまさかりを振り回し木をなぎ倒したり、くまを投げ飛ばしたり…
力なら誰にも負けません。
動物たちもその力に驚き、いつの間にか金太郎と打ち解けていました。
毎朝勉強をし、森で動物たちと相撲をとり、お弁当を食べる金太郎。
帰り道、橋のない場所に木をなぎ倒して動物たちを渡らせてやる姿を見た源頼光がその強さと優しさに惚れ込み、侍にならないかと誘います。
それを聞いた母親は大喜び、だって金太郎の父は坂田という侍だったのですから。
そして金太郎は、坂田金時と名付けられ都に行くことになったのです。
誰もが知っている金太郎が、登場人物まで正式名称で描かれた忠実な一冊。
日本人形のようにリアルなイラストとしっかりした文章は、きちんと物語を知りたいという方におすすめです。
感想
金太郎を知らない娘に選んだ絵本です。
まんまるで可愛い動物の絵本が好きな4歳児は漢字がたくさんの文章とリアルなイラストを見て「これは絵本なの?」という反応でしたが、最後までしっかり聞いてくれました。
正直食いつきはよくありませんでしたが、読んでみると文章は決して難しくありません。
漢字が多いので一見難しそうに見えますが、「強さ」や「作って」がひらがなで書かれているくらいの漢字レベルです。(恐らく小学校低学年の一人読み向けかなと思います。)
読み聞かせであれば、幼稚園児でも問題なく読めました。
イラストは格調ある絵巻物的な歴史画で有名な米内穂豊先生。
カラフルでくまの毛並みまで伝わるような細かい線で描かれていて、とても迫力があります。
1ページ1ページが絵画展のようで、隅々まで見入ってしまいました。
金太郎の歌を聴いたことがある程度の娘は、絵本を読むことでやっと「まさかり」を理解したようです。
「まさかりっていうのは、斧のこと。」と説明しても斧がわからない状態だったので、助かりました。
巻末には日本民話の会武士田忠さんの解説つき。
諸説ある「金太郎」についてきちんと説明されています。
わが家は末っ子が男の子なので、子供にきちんと説明できるようにしておきたいです。