夏が終わると、街が一気にハロウィン仕様になりますよね。
お菓子に仮装、ワクワクすることばかり。
そんなハロウィンの夜、大冒険するおばけのお話があります。
自信をなくした小さなおばけの成長物語です。
おばけのキルト
カタカナ | あり(ルビなし) |
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漢字 | あり(ルビあり) |
ページ数 | 41ページ |
本のサイズ | A4くらい |
おすすめ月齢 | 4歳 |
ISBNコード:9784895722780
どんな本?
パッチワーク布のおばけ、キルト。
周りのおばけたちはみんな白いシーツなのに、自分だけパッチワークで自信をなくしています。
パッチワークキルトは重くて、みんなみたいに飛べないのです。
何で僕だけ…。
周りとの違いに落ち込むキルト。
でも、ハロウィンの夜みんなが驚く出来事が起こります。
怖い怖い人間に、キルトが捕まっちゃった…!
キルトは一体どうなるのでしょうか?
この絵本の作者、実はパッチワークキルト作者でもあるのです。
ホームページでは綺麗な作品がたくさん紹介されています。(キルトのようにふんわりと車などにかけられた写真も見られますよ)
周りと違うことに劣等感を感じて落ち込むという、誰もが経験する気持ちが描かれた絵本。
勇気を出したキルトが、物語の中でたくましく成長し自信をつける姿は読んでいるこちらにも元気をくれるはず。
ハロウィンの様子も本格的で、10月に雰囲気ぴったりの作品です。
感想
表紙はちょぴり怖い雰囲気ですが、この絵本に「恐怖」という印象は全くなく、出てくるおばけもみんな可愛らしいです。
中でもキルトの青を基調としたパッチワーク柄は目立ちます。
絵本自体は、全体的に表紙と同じトーンで描かれているので日中のシーンでもグレーがかったイラストです。
オレンジ、ピンク、肌色(ペールオレンジ)、そしてキルトのパッチワーク柄だけ色が使われているので、その部分がパッと目をひきます。
キルトのイラストには、目と口しかありません。
でも、それだけで落ち込み、焦り、喜びと様々な表情が伝わってくるので絵ってすごいなぁと思いました。
文章はある程度量があるので、年中さんくらいからかなと思います。
「~なんだ。」
「~なんだよ。」
という、話し言葉のような文章なので子供の心は掴みやすいように思います。
人と違っても、それが自分の個性であること。
その個性が、自分の思わぬ武器になること。
あなたには、あなたにしかない良さがある。
子供たちに伝わるといいなと思いながら読み聞かせています。