この作品は、子供ではなく私が読みたいと思ったもの。
コールデコット賞「大賞」に輝いた絵本なので、どんな本なのか気になっていたのです。
パッと手に取って、パラパラとめくっただけでは絶対にわからない良さ。
静かに、ゆっくりと読んでほしい絵本をご紹介します。
THE LITTLE ISLAND
The Little Island: (Caldecott Medal Winner) (Dell Picture Yearling)
カタカナ | ー |
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漢字 | ー |
ページ数 | 41ページ |
本のサイズ | A4くらい |
おすすめ月齢 | 6歳 |
ISBNコード:9780385746403
どんな本?
広い海の中にぽつんとある、小さな島のお話。
気持ちの良い風がふき、鳥や魚が集まる島。
晴れの日、曇りの日、静かな朝…淡々と毎日が過ぎていきます。
島に小さな花が咲き、春が訪れ。
あざらしの親子やカワセミが集まり、野いちごが赤くなった頃に夏が訪れ。
そんなある日、人間と小さな猫がピクニックにやってきます。
そして猫が島に話し始めました。
ここからがとても哲学的で、深いお話の始まり。
この本は、ただ小さな島の様子を描いたものではなく、全てのことに通じる大切な考え方を学ぶ絵本。
『あなたが知らないことについて話す私の言葉を、信じること』
『小さな島はいい。広い世界の一部でありながら、青い海に囲まれた自分の世界も持っているのだから。』
英文の量は幼稚園くらいの子供に読める量ですが、とても哲学的な内容。
でも、こんな風に世界と自分をとらえることができたら…
小さくて静かな島ですが、大きな世界をよく理解し、大切なことを教えてくれる絵本です。
感想
この絵本は、また必ず子供に読もうと思いました。
というのも、今回私が読んだのは英語の原書。
レトロな雰囲気のイラストと少し詩的な淡々とした英文の理解が子供には難しく、文章の意味の深さが伝わらなかったのです。
前半はただ島の様子が淡々と描かれているだけなのですが、途中で猫がやってくるとそこから島が喋りだします。
そこでやっと、今までの淡々とした島の描写がこれから語られることの伏線だったとわかりました。
英語は初心者にはややハードな印象、特に重要な部分が訳しにくいので日本語版と併せて読むのがおすすめです。
重要な部分の意味がわかると、圧倒的にこの本がわかりやすくなります!
哲学的な文章が出てくるので小さな子供には難しいかもしれませんが、これからどんどん広い世界に飛び出していく子供たちに知っておいてほしい大切なことが書かれている絵本。
日本語版も谷川俊太郎さんの訳で出版されているので、もう少し子供が大きくなったら意味を感じ取ってもらえるように再チャレンジしてみます。
絵本は中を読むまでわからないなぁと再認識した作品です。