みなさんは、お子様に昔話を読んでいますか?
ごんぎつね、おむすびころりん、うらしまたろうなど…
絵本を年間1800冊以上読む我が家ですが、昔話をあまり読んでいないことに気付き最近取り入れるようになりました。
昔話は言葉が難しかったり、イラストがリアルすぎたりと子供の興味を引くのが難しいイメージですが、大切な教訓を学べるものばかり。
今回は、幼稚園や小学校でも題材として扱われる『七夕物語』をご紹介します。
ただ星を切って飾り付けるのではなく、お話を知っておくことで理解が深まりますよ。
たなばた
カタカナ | なし |
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漢字 | なし |
ページ数 | 28ページ |
本のサイズ | A4くらい |
おすすめ月齢 | 5歳 |
ISBNコード:9784834005127
どんな本?
むかしむかし、天の川の東と西にそれぞれ人間と天女の世界がありました。
ある時、人間の世界にいた牛飼いが牛にこう言われます。
「もうすぐ天女たちが水浴びに来る。その中の織姫の着物を隠しなさい。」
その言葉通り、牛飼いは織姫の着物を隠しました。
牛飼いに驚いた天女たちはみんな飛んで帰っていきますが、織姫は着物がないので飛べません。
「私の妻になってくれたら、この着物を返します。」
そう牛飼いに言われ、織姫は結婚を決めました。
2人の間には男の子と女の子が生まれ幸せに暮らしていましたが、ある時天のおうぼ様にそのことが知られてしまいます。
怒ったおうぼ様は、家族と離ればなれにして織姫を天へと連れ帰りました。
牛飼いと子供たちは、天の川を超えて天まで行こうと一生懸命追いかけました。
しかし、おうぼ様は追いつかれないように天の川を高く空に引き上げてしまいました。
悲しみに暮れる親子でしたが、牛がやってきてある提案をします。
そのおかげで天の川までたどり着くのですが、そこでは更なる問題が待ち受けていました。
家族は再び会うことができるのでしょうか。
この作品は、福音館書店の月刊誌シリーズがハードカバーで書籍化されたもの。
元々は1963年「こどものとも」で出版されています。
難しい単語は少なく、「おうぼさま」という聞きなれない単語には注意書きで詳細が書かれるなどお話が理解できるよう考えられている絵本です。
淡く溶けるようなイラストが、幻想的に天の川や七夕物語を引き立てますよ。
感想
昔話や民話って、色んな出版社から色んな種類が出ていますよね。
今回読んだ絵本は私の知っているストーリーとは少し違いましたが「辻褄が合わない」という違和感はなく、逆に家族愛が溢れて胸が熱くなってしまいました。
この絵本では織姫と彦星だけでなく子供たちの描写も多く、離ればなれになった織姫と会うために一生懸命な姿が切なくなりました。
お話も、『そんな姿に心を痛めたおうぼ様が年に一度だけ会えるようにしてくれた…』というものなのでまさに同じ心境で読みました。
最初、織姫の着物を隠して結婚を申し込むところで「ちょっとずるいな」と思いましたが、二人の出会いのきっかけよりもその後の幸せな生活とそれを取り戻すための家族の努力をメインに感じ、読み終わる頃には気にならなくなりました。
この作品では、彦星のことをずっと「うしかい」と書いてあり、彦星という表現が出てきません。
なので「織姫・彦星」と覚えている子供には最初にそのことを説明してから読んだ方が良いかもしれません。
ただ、幼稚園児の娘は1度読んで「出てくる動物は牛」「年に1度しか会えない」などのポイントを覚えていたので、七夕物語がきちんと伝わっているなと感じました。
七夕の夜、お布団に入って「織姫と彦星が会えてるといいね。」と言った娘の言葉が、優しく可愛らしく…とても嬉しかったです。
