ハロウィンが終わると、一気に街もクリスマスモード。
子供たちの大好きな季節がやってきます。
クリスマスまで毎日ワクワクできるように、おうちで楽しめるクリスマス絵本をたくさん揃えました。
今回は、クリスマスのサンタクロースのイメージはここからきたと言われている、世界的に有名な詩を美しいイラストで描いた作品をご紹介します。
サンタクロースとあったよる
カタカナ | あり(ルビなし) |
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漢字 | なし |
ページ数 | 37ページ |
本のサイズ | A4くらい |
おすすめ月齢 | 4歳 |
ISBNコード:9784776406266
どんな本?
クリスマスイブ。
子供たちも寝静まり、パパが布団に入ろうとしたとき、窓の外から音がする。
なんだろう?
窓から見えたのは一面の雪、そして空には…
ねぇ、信じられるかい?
8頭のトナカイにひかれて走る、小さなそり。
よちよち歩きの子供と猫も目を覚まして下りてきた。
いよいようちの屋根にそりが降り立った。
ドサッという音のあと、暖炉から現れたのは…?
クリスマスの有名なお話として世界中の人に愛されるクレメント・クラーク・ムーアの詩「The Night Before Christmas」を、ホリー・ホビーが現代風にアレンジした作品。
今までもこの詩をもとにした絵本がたくさん出ている中で、ホリー・ホビーはどう描くか大変悩んだそう。
そして家屋は伝統的様式に、登場人物は現代的服装にすることに決めたのです。
クリスマスの魔法の時間によちよち歩きの幼児を加えることで、大人と子供両方の視点からサンタクロースを見ることができるようになりました。
水彩画を中心に描かれたイラストの美しさは大人からも人気を集め、クリスマスといえばこの絵本の名前をあげる人も多いです。
静かなときめきに満ちた、魔法の時間を味わえるクリスマス絵本です。
感想
イラストが美しいという評判を聞いていましたが、本当にうっとりするような世界が広がっていました。
空を走るサンタのそりの躍動感、よちよち歩きの赤ちゃんの可愛らしさ、パパの驚いた表情やイメージそのままのサンタクロース。
今私たちが想像するサンタクロースのイメージがもともとこの詩からきているので当たり前かもしれませんが、丸い鼻に雪のようにまっしろなあごひげ、丸く突き出したお腹ともう思った通りのサンタの姿が見られます。
詩をもとにつくられた絵本ですが、文章はわかりやすく4歳娘に読み聞かせても問題なく理解してくれました。
途中、赤ちゃんと猫が起きてくるシーンは見開きで何コマかに分かれて描かれているのですが文字は一切ありません。
私が勝手に「ばぶ?」「にゃ?」とか「ばぶ!」「にゃー!」とばぶとにゃーだけで表情に合わせて言葉をつけるとクスクス笑って何度もそこを読まされます。
文字がないことで動きや表情から想像して楽しむことができます。
気になっているのが、この絵本「ぼくは」と誰かの目線で文章が書かれているのですが「ぼく」とは誰のことなのだろうということ。
最初はパパのつもりで読み始めるのですが、途中からパパよりも「ぼく」の立場にぴったりの登場人物に気付きました。
最後まで種明かしもなく、「ぼくって一体誰なんだろう…」と秘密を知ってしまったようなワクワクする気持ちがずっと続いています。
ホリー・ホビーさんは詩の中に歌われるクリスマスの夜の不思議な雰囲気と驚きを自分の絵で伝えたいという気持ちで描いたそうですが、その言葉通りの不思議でワクワクする静かな夜を感じることができました。
原詩には登場しない赤ちゃんを、この絵本でぜひ楽しんでみてください。
