今回ご紹介するのは、可愛いオコジョと綺麗な表紙で娘が選んだ絵本です。
こちらの絵本は、『オコジョのタッチィシリーズ』として四季に合わせた4作品が出版されているうちの第一作目。
温かみのある、可愛らしいイラストをぜひご覧になってみてください。
ねんにいちどのおきゃくさま
どんな本?
山に住んでいるオコジョのタッチィ。
同じく山に住んでいるトムサおじいさんの家に、よく遊びに行きます。
トムサおじいさんは年に一度だけ山を下りて、たくさんの荷物を担いで帰ってきます。
それは、クリスマスの日。
大好きな孫のヤーコポが毎年クリスマスの日になると会いに来てくれるので、ツリーやごちそうを用意するのです。
ヤーコポは旅人で、毎年その日だけおじいさんの家に来てはまたどこかへ旅をしに行くのでその日はおじいさんにとっても、ヤーコポにとっても大切な日です。
春が過ぎ、夏が終わり、秋になったある日、おじいさんは町で暮らすことを決めました。
山での生活は、歳をとったおじいさんには大変だったのです。
タッチィに別れを告げ、おじいさんは山を下ります。
タッチィは一人で、年に一度のあの楽しい日を思い出します。
おじいさん、ヤーコポはどうするの…?
ヤーコポのがっかりした顔を想像したら、いてもたってもいられずおじいさんを探しに町へ行きますが、結局見つからずポロポロ涙を流すタッチィ。
しかし、町で出会ったねこのおばさんがくれたケーキを見て、タッチィは思いつくのです。
そして迎えたクリスマスイブ。
家の前で佇むヤーコポが、明りに気付いて扉を開けると…?
切なさと、寂しさと、タッチィの優しい気持ちが心を揺さぶる、冬にぴったりの物語です。
感想
初めて読んだとき、少し泣けてしまいました。
おじいさんがいなくなったあと、クリスマスを待ち続ける姿。
ヤーコポの悲しむ顔を想像して、いてもたってもいられず一生懸命頑張る姿。
そしてクリスマスイブの日、嬉しそうなヤーコポとタッチィ。
タッチィの素直で健気な姿が、まるで子供のようで胸をうたれました。
温かみのあるイラストがとにかく素敵で、物語の優しさを引き立てます。
少し切ない雰囲気があり、大人にこそ響く絵本だと思います。
静かな冬の日に、お部屋で子供と一緒に読みたい温かい作品でした。
カタカナ | あり(ルビなし) |
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漢字 | なし |
ページ数 | 36ページ |
本のサイズ | A4くらい |
おすすめ月齢 | 5歳 |